2)ヒルトップにおけるオーバーユースの実態
現在、ヒルトップを訪れる来訪者には2つのタイプがある。第一が大型バスで南北から訪れるツアー客、第二が自家用車や公共交通機関を使って訪れる個人客である。
先述したように、この地方はロンドンと北部地域とを結ぶルート上にあり、大型バスでのツアー客が、中継地点としてここを訪れる。
図−7、8は、ヒルトップ周辺道路と駐車場へのアクセス道路の写真である。決して道幅は広くない。また駐車場自体も十分な面積を有していない。この駐車場でのバス乗り換え時の一瞬に、許容量を超える観光客が集中するのである。
図−7 ニア・ソーリー村内の道路
図−8 ヒルトップの駐車場入り口付近
3)観光客の入込状況からみた課題
観光客が近年増加傾向にあり、カンブリア地方でもビアトリクス・ポター関連施設が集客の要となっているのは事実である。一方、ヒルトップの家自体も道路幅も、多くの大型バスを受け入れるには不十分な大きさしか有していない。だが上述のナショナル・トラスト指定の条件により、施設の改変を許されていない。その結果、入込客数の数値そのものよりも、施設許容量と来訪者数の不均衡が原因となって、オーバーユースとなり、町全体へも、その影響が波及しているといえる。
(3)観光入込に対する地元の対処方策
1)トップシーズンでの観光入込対策
これらのオーバーユースに対し、ヒアリングによると湖水地方では次のような各種の対策をとってきている(表−6)。
表−6:トップシーズンでのオーバーユース対策
出典:ヒアリングとともに作成
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